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梶本 亮一; 望月 秀記*; 吉澤 英樹*; 新谷 寛*; 木村 剛*; 十倉 好紀*
Journal of the Physical Society of Japan, 74(9), p.2430 - 2433, 2005/09
被引用回数:37 パーセンタイル:79.58(Physics, Multidisciplinary)A型反強磁性秩序を示すPrMnOと長距離磁気秩序を示すTbMnOのマグノン励起を中性子非弾性散乱実験によって調べた。LaMnOの結果(K. Hirota )も合わせて議論することでイオンの違いによるスピン交換相互作用の系統的な変化を明らかにした。イオンの半径が小さくなるにつれて面内の最近接サイト間の交換相互作用は急激に減少し、TbMnOでは有限の次近接サイト間交換相互作用が存在する。対照的に軸方向の交換相互作用の依存性は非常に小さい。これらの結果は、MnOにおける磁気構造の変化は最近接サイト間相互作用と次近接サイト間相互作用の競合によって引き起こされるという説(T. Kimura )と整合している。
梶本 亮一; 吉澤 英樹*; 川崎 隆一*; 野田 耕平*; 桑原 英樹*
Journal of the Physical Society of Japan, 74(1), p.502 - 503, 2005/01
被引用回数:2 パーセンタイル:19.77(Physics, Multidisciplinary)NdSrMnOにおけるC型反強磁性スピン波の分散関係を中性子散乱実験によって決定した。スピン交換相互作用は大きな異方性を示し、d軌道が軸方向に整列した軌道秩序状態が形成されているためと解釈できる。軸方向の交換相互作用はかなり大きく、強磁性金属相での値と同程度である。このことは軌道秩序方向に沿って有限の電荷のホッピングが存在することを示唆する。
武田 全康; 壬生 攻*; 新庄 輝也*; 遠藤 康夫*; 鈴木 淳市
Physical Review B, 70(10), p.104408_1 - 104408_9, 2004/09
被引用回数:8 パーセンタイル:41.01(Materials Science, Multidisciplinary)中性子回折とメスバウアー分光を使って単原子層の非磁性Snを周期的に挿入したCr(001)/Sn多層膜のCrのスピン密度波(SDW)の構造について詳細に調べた。240nmの厚さのCr薄膜を基本構造として、全体の層厚を240nmに保ったまま、Sn層にはさまれたCr層の厚さを4.0nmから16.0nmになるように試料を作成した。すべての試料で、300KではバルクのCrで見られるSDW構造が観測されずに単純な反強磁性構造(CAF)を示すことがわかった。低温にすると、バルクでのSDWの波長よりも短いCr層厚を持つ4.0nmの試料では、このCAF構造はそのまま保たれているが、それよりも長いCr層厚を持つ試料では、低温でSDW構造に変わったが、その磁気構造はSn層できられたCr層の厚さによって大きく変化した。特に、Cr層厚が10.0nmの試料では温度領域によって、SDWの波長が非連続的に変化するのが観測された。これは、SDWを作ろうとするフェルミ面のネスティング効果で決まる波長とSnを挿入したことで導入された人工的な周期ポテンシャルによる競合の結果であると解釈される。
慈幸 範洋*; Almokhtar, M.*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 新庄 輝也*; 壬生 攻*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(Part2), p.1233 - 1234, 2004/05
Cr/Sn及びFe/Cr/Sn/Cr多層膜の磁性のエピタキシャル成長方向依存性を調べた。Fe/Sr/Sn/Cr多層膜では、(011)と(001)方向に成長させた多層膜において、Cr磁気モーメントが縮むことがわかった。また、(011)の方が(001)よりも影響を大きく受けることがわかった。80のCr層厚を持つCr/Sn多層膜では、(011)に成長した膜ではバルクで観測されるスピン密度波ではなく、単純な反強磁性構造が現れるが、(001)の場合には、膜面に垂直な波数ベクトルを持つスピン密度波が低温で観測された。
久保園 芳博*; 三村 和江*; 高林 康裕*; 前田 裕宣*; 柏野 節夫*; 江村 修一*; 西畑 保雄; 宇留賀 朋哉*; 田中 庸裕*; 高橋 昌男*
Journal of Synchrotron Radiation, 6(Part3), p.564 - 566, 1999/05
擬一次元系ポリマーであるRbCの約50Kでの金属-絶縁体相転移の起源を明らかにするために、RbC安定相のRb-K吸収端でのXAFSが、14.6から210Kの温度範囲で測定された。XAFSによって決められたRbとCの原子間距離と平均自乗変位は50Kで異常を示さず、その金属-絶縁体相転移はSDW不安定性を起源としていることが示唆される。